ゴーヤの独特の苦味成分
前項でも少し述べたのが独特の苦味成分となる「モモルデシン」です。「うま味」の成分は主にアミノ酸、核酸であり、「塩味」は塩類、「酸味」は酸というように、成分の種類が限られているわけですが、「苦味」を感じる苦味物質というのは実は多くの種類があるのです。
植物に含まれる苦味物質の代表的なものがアルカロイド類です。アルカロイド類の大半には、神経に作用する「毒性」、「生理作用」があります。お馴染みのものとしてはコーヒー、お茶に含まれるカフェイン、カカオ豆に含まれるテオブロミン、たばこに含まれるニコチンがあります。主にその生理作用が活用されているわけで、多量に摂取すると有毒になってしまいますが、適度な量なら、緊張の緩和、神経を興奮させて眠気の防止、気分転換、思考力の回復など効果があるのです。それが「苦味」の特徴でもあるのです。
そして苦い野菜の代表となるのがゴーヤなのです。ゴーヤを食べた時に感じる独特の苦味の成分は「モモルデシン」ですが、これの場合は身体に良いようです。
実は食品としてはゴーヤからこの成分が発見されたのが初めてなのだそうです。これは数種類のサポニンと20種類のアミノ酸などで構成された成分となっています。
モモルデシンには、肝機能を高める作用があるとされて、胃腸を刺激して食欲の増進にも役立ちます。更には、血糖値の降下作用、血圧のコントロール作用、体を冷やす作用、鎮静作用もあるとされています。また、血液をサラサラにする作用、生活習慣病予防に効果的な成分となっています。ゴーヤ以外ではきゅうり、ズッキーニなどの食材に含まれています。